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IBSを知らない上司に「サボりだろ」と言われた|職場の無理解を変えた方法|Sereni

📚 この記事は IBSと上手に付き合う 完全ガイド の一部です。食事・通勤・旅行・メンタルなど、他のテーマの記事もあわせてご覧ください。

IBSのことを知らない上司に
「サボりだろ」と言われた

午前中に3回トイレに行った。それだけで「やる気あんのか」と言われる職場の話

Jさん(29歳・メーカーの経理部)は午前中に3回目のトイレから戻ったとき、課長に呼び止められました。「Jさん、ちょっといい? 最近トイレ多くない? 他のメンバーも見てるよ。仕事中にそんなに席外すのは、ちょっと……」。課長は言葉を選んでいましたが、その目は明らかに「サボり」を疑っていました。Jさんは何も言い返せませんでした。IBSのことを説明しようとしましたが、「過敏性腸症候群で……」と言いかけたところで、課長に「体調悪いなら早退したら?」と遮られました。

IBSは見た目にはまったく分からない。血液検査も正常、見た目も元気、熱もない。だから「本当に体調が悪いのか疑われる」という二次的な苦しみがある。この記事では、Jさんが「サボり」のレッテルを貼られてから、産業医との面談を経て職場の理解を得るまでの過程と、その間に自分を守るために行った対策をお伝えします。

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👁️ 「見えない病気」が理解されない構造

IBSが職場で理解されにくい最大の理由は「見た目が健康」だからです。骨折なら松葉杖を見れば分かる。インフルエンザなら熱がある。しかしIBSは外見に何の変化もなく、血液検査でも異常が出ない。唯一の「症状」はトイレに行く頻度が高いことだけ。上司や同僚から見れば、「元気そうなのにやたらトイレに行く人」でしかありません。

Jさんの課長は悪い人ではありませんでした。ただ「過敏性腸症候群」という言葉を聞いたことがなかっただけ。「お腹が弱い」は「気合が足りない」と同義だと思っていた世代です。実際、IBSの認知度は日本ではまだ低く、病名を知っている一般の方は多くありません。「過敏性腸症候群」と聞いても「何それ?緊張するとお腹壊すやつ?じゃあリラックスすれば治るんじゃない?」と返されることがほとんど。脳腸相関という自律神経の問題であり、気合やリラックスで制御できるものではないことを、知識がない人に短時間で説明するのは極めて難しいのです。IBSによる突然の下痢と不安との共存で解説されている通り、「サボりだと思われている」というストレスがさらにIBSを悪化させる。上司の一言が、Jさんの腸をさらに不安定にしたのです。

課長に指摘された翌日から、Jさんはトイレに行く回数を意識的に減らそうとしました。しかし我慢すれば腹痛はさらに悪化し、結局限界を超えて駆け込む。我慢している間の冷や汗と腹痛で仕事の効率は落ち、結果として「トイレも多いし仕事も遅い」という最悪の評価になりました。我慢しても我慢しなくても評価が下がる。どちらを選んでも負ける状況です。このまま黙っていては何も変わらないとJさんは悟りました。

🏥 産業医面談で変わったこと

消化器内科の診断書を「武器」にする

限界を感じたJさんは、まず消化器内科を受診しました。検査の結果、正式に「過敏性腸症候群(下痢型)」と診断され、診断書を発行してもらいました。この診断書が「サボりじゃない」を証明する最強のカードです。次にJさんは会社の人事部に連絡し、産業医との面談を申請しました。産業医面談は社員の権利であり、上司の許可は不要です。申請から面談まで約2週間。この2週間は「まだか」と毎日人事部のメールを確認するほど長く感じましたが、「動き出した」という事実がJさんの気持ちを少し楽にしました。

産業医から上司への「意見書」

産業医面談でJさんは診断書を提示し、IBSの症状と職場での困りごとを説明しました。産業医はIBSを熟知しており、「職場への配慮事項」として意見書を作成してくれました。内容は「トイレ離席の頻度が通常より多いことは疾患に起因するものであり、本人の意思でコントロールできるものではない。席の配置はトイレに近い場所が望ましい。離席を理由とした不利益な評価は避けていただきたい」というものでした。この意見書が課長に共有されてから、Jさんへの態度は明らかに変わりました。「サボり」の目は完全になくなり、トイレに立っても何も言われなくなった。パートナーへの説明ガイドで推奨されている「段階的な開示」は職場でも有効です。自分の口で直接説明するのではなく、医師の言葉を介して伝える。この「ワンクッション」がJさんと課長の関係を壊さずに修復しました。課長は後日、「知らなかった。悪いことを言ってしまった」とJさんに個別に謝罪してくれたそうです。

🛡️ 職場の理解を待つ間に自分でできること

トイレ離席の「見え方」を変える

産業医面談の結果が出るまでの2週間、Jさんは「離席の見え方」を工夫しました。まずトイレに行くときはスマホかノートを持って立つ。周囲から見れば「電話に出る」「メモを取りに行く」ように見える。トイレから戻るときもスマホを耳に当てたまま着席する。同僚には「電話多いですね」と言われましたが、「取引先が細かくてさ」で通しました。IBS仕事マニュアルで紹介されている「離席カモフラージュ」のテクニックです。根本解決ではありませんが、「サボりに見えない」だけでストレスは大幅に減りました。

吸水パンツで「我慢しない選択」をする

Jさんがもう一つ始めたのは、吸水パンツを履いて出勤することでした。「トイレに行く回数を減らさなきゃ」と思って我慢すると症状が悪化する。しかし吸水パンツを履いていれば、「万が一間に合わなくてもスーツを汚さない」という安心感がトイレ我慢のプレッシャーを和らげます。結果的にトイレに行きたい衝動が和らぎ、午前中の離席が3回から2回に減りました。IBSの発作が来たときの応急リカバリーでも強調されている「最悪でも大丈夫」の安心感が、予期不安を下げて実際のトイレ回数まで減らすのです。我慢するのではなく、我慢する必要をなくす。この発想の転換がJさんを救いました。

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100ml前開きコットンタイプ

IBSの「突然の下痢」に備えるなら、お尻まで広範囲にカバーする100mlタイプが安心感を提供します。正直に言えば、吸水パッドが広く配置されている分、通常のパンツより厚みがあります。スラックスによっては多少シルエットに影響が出ることもあります。ただし1日中デスクに座っている経理の仕事では、立ち姿のシルエットを気にする場面は限られています。亜鉛銅イオンの防臭加工がニオイの不安を軽減し、前開き仕様で職場のトイレもスムーズ。「上司に疑われるストレス」を「最悪でも大丈夫」の安心感に変えてくれます。

⚠️ 100mlタイプは男性1回排尿量(200〜400ml)には対応できません。少量漏れ時のお守りとしてご活用ください。より安心したい方は、市販の吸水パッドとの併用をSereniはおすすめしています。

よくあるご質問

Q. IBSのことを上司に直接伝えるべきですか?

伝え方によります。理解のある上司なら「お腹の持病があり、トイレが近いことがある」と簡潔に伝えるだけで十分です。しかし「サボり」を疑うタイプの上司に自分で説明しても逆効果になることがあります。Jさんのように産業医の意見書を通じて伝えるほうが、医学的な裏付けがある分、受け入れられやすいです。どちらの場合も、診断書は事前に取得しておいてください。

Q. 産業医がいない中小企業の場合はどうすればいいですか?

従業員50人未満の事業所には産業医の選任義務がありません。その場合は、消化器内科の主治医に「職場への配慮事項を記載した診断書」を書いてもらい、直属の上司か人事担当に提出してください。「過敏性腸症候群により、トイレ離席の頻度が通常より多いことがある」という医師の一筆があるだけで、「サボり」の疑いは払拭されます。

Q. IBSを理由に不利益な人事評価を受けた場合、どうすればいいですか?

疾患を理由とした不利益な評価は、労働安全衛生法や障害者差別解消法の趣旨に反する可能性があります。まず産業医の意見書を人事部に提出し、評価基準の見直しを求めてください。それでも改善しない場合は、労働基準監督署や都道府県の労働局に相談することも選択肢です。一人で抱え込まず、制度を使ってください。IBSは一人で解決する問題ではありません。

まとめ

Jさんが課長に「サボりだろ」と言われたとき、一番辛かったのはお腹の痛みではなく「信じてもらえないこと」でした。見た目に分からない病気は、説明する側に証明責任が生まれてしまう。だからこそ、消化器内科の診断書と産業医の意見書という「第三者の言葉」が必要だったのです。そして職場の理解を得るまでの間も、離席カモフラージュと吸水パンツで自分を守る。我慢するのではなく、我慢しなくていい環境を自分で整える。Jさんは今、トイレに近い席に移り、トイレに立っても誰にも何も言われない日常を手に入れています。あの日課長に「サボりだろ」と言われた経験は、振り返れば「自分の権利を知るきっかけ」だったとJさんは言います。

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📚 参考文献

  1. Fukudo S, et al.(2021)"Evidence-based clinical practice guidelines for irritable bowel syndrome 2020." J Gastroenterol, 56: 193-217 PubMed 33538894 ── IBSの診断基準とストレス反応による症状増悪
  2. Drossman DA, et al.(2009)"Severity in irritable bowel syndrome." Am J Gastroenterol, 104(Suppl 1): S1-35 PubMed 19521341 ── IBSの重症度と就労・生産性への影響
  3. Lackner JM, et al.(2018)"Improvement in gastrointestinal symptoms after cognitive behavior therapy for refractory IBS." Gastroenterology, 155(1): 47-57 PubMed 29702118 ── 安全行動(備え)による予期不安の軽減と症状改善
  4. Black CJ, Ford AC(2020)"Global burden of irritable bowel syndrome." Lancet Gastroenterol Hepatol, 5(10): 908-917 PubMed 32702295 ── IBSの社会的スティグマと労働生産性への影響

※ 免責事項

この記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や法的助言の代替にはなりません。症状が気になる場合は消化器内科への受診をおすすめします。

IBSの症状が日常生活に支障をきたしている場合は、消化器内科の受診をおすすめします。血便・体重減少・発熱を伴う場合はIBSではなく他の疾患の可能性があります。

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