おならがよく出る原因とは?考えられる7つの要因と今日からできる対策
📚 この記事は IBS完全ガイド(シーン別まとめ) の一部です。通勤・外食・旅行など、他のシーンの対策もあわせてご覧ください。
おならがよく出る原因とは?
考えられる7つの要因と対策
「最近おならが多い」は食べ方・腸内環境・ストレスのサインかもしれません
「会議中にお腹が張って集中できない」「最近、明らかにおならの回数が増えた」。人には相談しにくい悩みですが、実はとてもよくある症状です。
おならがよく出る主な原因は、空気の飲み込み(呑気)・食べ物・腸内環境の乱れ・ストレスなどで、多くは生活習慣の調整で改善が期待できます。
この記事では、考えられる7つの原因を「病気ではないもの」から「受診を考えたいもの」まで順に整理し、今日からできる対策を解説します。
💨 そもそも「よく出る」の基準は?──1日の正常回数
健康な人でも1日平均10回程度は出ている
意外に思われるかもしれませんが、健康な人でも1日平均10回程度おならが出ることが報告されています(Furne & Levitt 1996)。つまり「回数が多い気がする」だけなら、必ずしも異常ではありません。
腸内のガスは、飲み込んだ空気と、腸内細菌が食べ物を分解するときに発生するガスの2つが主な源です。どちらが増えても、出口であるおならは増えます。
問題になるのは「急な変化」と「他の症状との組み合わせ」
気にすべきなのは回数そのものより、「以前と比べて明らかに増えた」「お腹の張りや痛み、下痢・便秘を伴う」といった変化です。
次のセクションで、原因を可能性の高い順に7つ見ていきましょう。自分に当てはまるものを探しながら読んでみてください。
🔍 おならがよく出る7つの原因
❶ 早食い・空気の飲み込み(呑気)
早食いの人は、食べ物と一緒に大量の空気を飲み込んでいます。無意識に空気を飲むクセ(呑気症)は、緊張しやすい人やデスクワークで歯を食いしばる人にも多く見られます。
❷ ガスを作りやすい食べ物
豆類・玉ねぎ・キャベツ・りんご・小麦製品などに含まれる発酵性の糖質は、腸内細菌の「ごちそう」になり、分解の過程で多くのガスを発生させます。健康に良い食材でも、ガスの観点では増える方向に働くことがあります。
こうした糖質はFODMAP(フォドマップ)と呼ばれ、詳しい食品リストは低フォドマップ食 完全ガイドにまとめています。
❸ 炭酸飲料・ガム・ストロー飲み
炭酸飲料は文字どおり気体を体に入れる飲み物です。ガムを噛む習慣やストローでの飲み物も、空気を飲み込む量を増やします。
❹ 腸内環境の乱れ
暴飲暴食や偏った食事が続くと、腸内細菌のバランスが崩れ、ガスを多く作る菌が優勢になることがあります。ニオイが強くなった場合は、たんぱく質の摂りすぎや腸内環境の乱れが背景にあることが多いです。
❺ ストレス・緊張
脳と腸は自律神経でつながっており、ストレスは腸の動きと感覚の両方に影響します。緊張すると空気を飲み込む量も増えるため、「ストレスが多い時期はおならも増える」のは理にかなった現象です。
❻ 便秘
便が腸に長くとどまると、その分だけ腸内細菌による発酵が進み、ガスが増えます。便秘気味の人のおならのニオイが強くなりやすいのも同じ理由です。
❼ IBS(過敏性腸症候群)などの機能性の病気
お腹の張りや腹痛、下痢・便秘を伴っておならが増えている場合は、IBS(過敏性腸症候群)の可能性があります。IBSは検査で異常が見つからないのに腸の運動や知覚が過敏になる病気で、日本人に多い機能性の消化管疾患です(機能性消化管疾患診療ガイドライン2020)。
症状のセルフチェックは過敏性腸症候群(IBS)とは|症状チェックから日常の備えまでで詳しく解説しています。
✅ 今日からできる対策──食べ方・食べ物・腸内環境
対策① 「ひと口20〜30回」を目安によく噛む
最も効果を実感しやすいのが食べ方の改善です。よく噛んでゆっくり食べるだけで、飲み込む空気の量が減ります。昼食を10分で済ませている人は、まず15〜20分かけることから始めてみてください。
対策② ガスを増やす食材・飲み物を「特定して」減らす
全部やめる必要はありません。数日単位で「何を食べた日に増えたか」をメモすると、自分の引き金になる食材が見えてきます。
炭酸飲料・ガムの頻度を減らすのも、コストゼロで今日からできる対策です。
対策③ 腸内環境と排便リズムを整える
発酵食品や水溶性食物繊維を取り入れつつ、便秘を放置しないことがガス対策の土台になります。朝食後にトイレに座る習慣をつけるなど、排便リズムづくりも有効です。
ストレスが引き金のタイプは、睡眠と休息の確保が遠回りに見えて近道です。緊張場面で歯を食いしばるクセがある人は、意識して奥歯を離すだけでも空気の飲み込みが減ります。
🏥 受診の目安と「IBSかもしれない」サイン
こんな症状があれば消化器内科へ
①血便がある、②体重が減ってきた、③夜中に腹痛で目が覚める、④発熱を伴う、⑤50歳を過ぎて急に症状が変わった──このいずれかがあれば、おなら以外の病気の確認のため早めに消化器内科を受診してください。
こうした危険サインがなく、「お腹の張り・腹痛と、下痢や便秘をくり返す」パターンが1か月以上続いているなら、IBSの可能性を考えて受診する価値があります。IBSは適切な治療と生活調整で付き合い方が大きく変わる病気です。
ガスの「音」と「ニオイ」の不安が大きい場合
「静かな会議室でお腹が鳴りそう」「ニオイで気づかれたら」という不安が生活を制限しているなら、ガス症状に特化した対策が役立ちます。IBSガス型の原因と対策で、食事から場面別の工夫まで詳しく解説しています。
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❓ よくあるご質問
Q. おならがよく出るのは病気のサインですか?
回数が多いだけなら病気とは限りません。健康な人でも1日平均10回程度は出ています。ただし、お腹の張り・腹痛・下痢や便秘を伴って増えている場合はIBSなどの可能性があり、血便・体重減少・発熱・夜間の腹痛を伴う場合は早めに消化器内科を受診してください。
Q. おならを我慢し続けるとどうなりますか?
我慢したガスは消えるわけではなく、腸内にとどまってお腹の張りや腹痛の原因になります。一部は腸から吸収されて呼気から排出されるとされますが、慢性的な我慢は膨満感を悪化させます。トイレなどで出せるタイミングで出すのが基本で、我慢が必要な場面が多い人ほど食べ方・食べ物での「元から減らす」対策が重要になります。
Q. おならの回数を減らす食べ物はありますか?
「食べると減る」魔法の食材はなく、増やす食材を特定して減らすアプローチが現実的です。豆類・玉ねぎ・小麦製品・りんごなど発酵性の糖質(FODMAP)が多い食材と炭酸飲料を数日控えて変化を見るのが第一歩です。ニオイが気になる場合は、肉などたんぱく質の摂りすぎを見直すと変わることがあります。
まとめ
おならがよく出る原因の多くは、早食い・食べ物・炭酸飲料・腸内環境・ストレス・便秘といった生活要因で、食べ方と食材の見直しから改善を目指せます。
一方で、腹痛や便通異常を伴う場合はIBSの可能性、血便や体重減少を伴う場合は他の病気の可能性があるため、我慢せず受診してください。原因がわかれば、打つ手は必ずあります。
「体質だから」と諦める前に、原因の切り分けから始めましょう。
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完全ガイド
IBS完全ガイド(シーン別まとめ)
通勤・外食・旅行・食事管理・備え|97記事を1ページに整理
📚 参考文献
- 日本消化器病学会 編『機能性消化管疾患診療ガイドライン2020―過敏性腸症候群(IBS)[改訂第2版]』(IBSの診断・治療の根拠)
- Furne JK, Levitt MD. Factors influencing frequency of flatus emission by healthy subjects. Dig Dis Sci. 1996(健常者の1日平均排ガス回数約10回の出典)
- Tomlin J, Lowis C, Read NW. Investigation of normal flatus production in healthy volunteers. Gut. 1991(健常者のガス産生量の出典)
- Azpiroz F. Intestinal gas dynamics: mechanisms and clinical relevance. Gut. 2005(腸内ガスの発生・移動メカニズムの根拠)
- Lacy BE, et al. Bowel Disorders. Gastroenterology. 2016(Rome IV基準。機能性消化管疾患の診断基準の出典)


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