テレワークが終わったら腸も出社した|IBSが再発した出社回帰の乗り越え方|Sereni
📚 この記事は IBSと上手に付き合う 完全ガイド の一部です。食事・通勤・旅行・メンタルなど、他のテーマの記事もあわせてご覧ください。
テレワークが終わったら腸も「出社」した
治ったと思っていたIBSが戻ってきた話
3年間、症状がなかった。治ったのではなく、自宅のトイレが近かっただけだった
2020年春、テレワークが始まった日。Tさん(37歳・人材系企業のマーケティング担当)にとって、それは「IBSからの解放」の日でした。自宅のトイレはいつでも使える。通勤電車の恐怖がない。会議中にお腹が鳴っても、カメラをオフにすれば誰にも気づかれない。3年間のテレワーク期間中、Tさんはほとんど症状が出ませんでした。「自分はIBSを克服したのかもしれない」。そう思い始めた2023年秋、会社から「原則週4日出社」の通達が届きました。
出社初日、朝の満員電車に揺られた瞬間、忘れていたあの感覚が戻ってきました。お腹がキュッと締まり、額に薄く汗がにじむ。3年ぶりの通勤電車は、3年前より混んでいるように感じました。オフィスに着いて共用トイレの個室に入ると、隣の個室から同僚の声が聞こえる。「自分のトイレ」が「みんなのトイレ」に戻った瞬間、Tさんは気づきました。IBSは治っていなかった。自宅という「安全地帯」が症状を隠していただけだった。この記事では、Tさんが出社回帰の中でIBSと改めて向き合い直した方法をお伝えします。
🏠 「治った」は幻だった──テレワークがIBSを隠した仕組み
IBSの症状が「トイレに行けない不安」によって増幅されることは、ストレスと腸の悪循環で詳しく解説されています。テレワークはこの「不安」をほぼゼロにしました。自宅のトイレはドア1枚の距離。会議はカメラオフにできる。通勤の電車もない。IBSの「トリガー」が環境ごと取り除かれた結果、症状が出なくなったのです。
しかしこれは「IBSが治った」のではなく「IBSが発動する条件がなくなった」だけです。腸の過敏性そのものは変わっていません。自宅にいるから下痢にならないのではなく、自宅にいるから「下痢になっても困らない」と脳が判断し、予期不安が起きず、結果として腸が反応しないという仕組みです。Tさんは「テレワーク中もたまにお腹がゴロゴロすることはあったが、すぐトイレに行けるから気にならなかった」と言います。気にならなかっただけで、腸は動いていたのです。出社回帰でIBSが「再発」したのではなく、3年間「休眠」していたIBSが「再起動」しただけでした。
🏢 出社回帰で襲ってきた3つのストレス
出社回帰でTさんを襲ったのは3つのストレスです。まず「通勤電車」。3年間乗っていなかった満員電車は、以前より恐怖が増していました。テレワーク前は「いつもの通勤」として慣れていた不快感が、3年のブランクで「初めてのストレス」のように感じる。しかも3年間で通勤ルートのトイレの場所を忘れています。以前は「○○駅のトイレは改札内、△△駅は改札外」と完璧に把握していたマップが白紙に戻っていました。
次に「オフィスのトイレ事情」。テレワーク前は「共用トイレの個室」を使い慣れていましたが、出社回帰で社員が増えた結果、個室の空き待ちが発生するように。Tさんのフロアには個室が3つしかなく、朝のピーク時は5分待つこともあります。IBSトイレ不安チェックリストで挙がっている「トイレが満室だったらどうしよう」という不安が、そのまま現実になったのです。
そして「対面の会議」。テレワーク中はカメラオフで逃げられたが、対面の会議室では席を立てば全員に見られる。さらに「出社してるんだから対面で話そう」と急な打ち合わせが増え、トイレに行くタイミングを計画しづらくなりました。テレワーク中に忘れていた「職場のIBSストレス」が、3年分のブランクと一緒に一気に押し寄せてきたのです。
🤐 「在宅勤務を続けたい」と言えなかった理由
Tさんは最初、上司に「在宅勤務を続けたい」と相談しようとしました。しかし会社の方針は「原則出社」。例外は育児や介護の事情がある社員だけ。「お腹が弱いから」は理由として認められるのか。そもそもIBSを上司に説明すること自体に大きな抵抗がありました。「たかがお腹の調子で在宅を希望するなんて甘え」と思われるのではないか。テレワーク中に成果を出していたとしても、出社が「やる気の証明」とされる空気の中で、体調理由の在宅希望は評価に響くかもしれない。
外出前の不安との付き合い方でも触れていますが、IBSの回避行動は「問題を先送りにするだけ」です。在宅勤務に戻れたとしても、次に出社が必要な場面──客先訪問、社内研修、オフサイトミーティング──でまた同じ恐怖が襲ってくる。Tさんは「逃げ続けても解決しない」と覚悟を決め、在宅勤務の継続ではなく「出社しながらIBSと付き合う方法」を模索する方向に切り替えました。
🔑 Tさんが出社とIBSを両立させた方法
「段階的出社」で腸を慣らす
Tさんがまず取り組んだのは「週4日出社」をいきなり始めるのではなく、最初の2週間は週2日から始めて徐々に増やすことです。上司には「3年ぶりの通勤なので体を慣らしたい」と相談し了承を得ました。IBSとは言わず「通勤に体を慣らす」という表現なら、多くの会社で理解が得られやすいとTさんは言います。最初の週は火曜と木曜だけ出社。翌週から月・水・金の3日に増やし、1ヶ月かけて週4日に到達しました。腸が「出社」に少しずつ慣れる時間を確保したのです。
「オフィスのトイレマップ」を再構築する
3年のブランクでオフィスビルのトイレ事情も変わっていました。Tさんは出社初週に「全フロアのトイレ偵察」を行いました。自分のフロア(8階)の個室は3つで朝は混む。しかし7階の会議室フロアは来客用のきれいなトイレがあり、朝は空いている。9階のIT部門フロアはフレックスで朝の人が少なく、個室が空いている確率が高い。この「3フロアのトイレマップ」がTさんの安全網になりました。IBS仕事・営業マニュアルでも推奨されている「トイレの複数ルート確保」は、出社回帰の最優先タスクです。
朝のルーティンを再起動し、吸水パンツで通勤を守る
テレワーク中に崩れていた朝のルーティンも再構築しました。IBSモーニングルーティンに従い、出社日は6時に起床して白湯を飲み、朝食後にトイレを済ませてから家を出る。テレワーク時代は8時に起きて即パソコンを開いていたため、出社日は2時間早起きする必要がありましたが、「出し切ってから電車に乗る」という鉄則を守ることで通勤中の不安が大きく減りました。そして出社日は必ず吸水パンツを履く。満員電車で万が一の波が来ても、スーツのスラックスには染みない。Tさんは「在宅の日は普通のパンツ、出社の日はSereni。このルーティンで腸が"今日は備えがある"と安心するようになった」と言います。
👔 Sereniの吸水パンツについて
100ml前開きコットンタイプ
出社日の通勤電車やオフィスでの「万が一」に備えるなら、Sereniでは100mlタイプが適しています。お尻まで広範囲に吸水パッドがカバーしているため、満員電車でトイレに間に合わなくてもスーツのスラックスへの染みを防ぎます。前開き仕様でオフィスのトイレもスムーズ。コットン素材の柔らかい肌触りは一日中のデスクワークに適しており、亜鉛銅イオンの抗菌防臭加工で出社から退社まで安心です。見た目は通常のボクサーパンツと同じで、オフィスでの着替えにも自然です。
⚠️ 100mlタイプは大量の下痢をすべて吸収することはできません。トイレに間に合わなかった際に、液状便の水分を吸収しズボンへの染み出しを軽減する「お守り」としてご活用ください。より安心したい方は、市販の吸水パッドとの併用をSereniはおすすめしています。
❓ よくあるご質問
Q. IBSを理由に在宅勤務の継続を会社に相談できますか?
IBSは「合理的配慮」の対象になり得る疾患です。消化器内科の診断書を添えて人事部や産業医に相談すれば、在宅勤務の部分継続(例:週2日在宅)やフレックスタイムの活用が認められるケースもあります。ただし会社によって対応は異なるため、まずは産業医面談から始めることをおすすめします。「完全在宅」にこだわらず「出社日数を調整したい」という提案のほうが受け入れられやすいです。
Q. テレワーク中にIBSが楽だったのは治ったわけではないのですか?
テレワークで症状が出なくなるのは「環境がIBSのトリガーを排除した」結果です。腸の過敏性そのものは変わっておらず、ストレスのかかる環境に戻れば症状も戻ります。テレワーク中に安定していた時期をポジティブに捉えつつ、出社環境でも「トイレへのアクセス」「予期不安の管理」を整えることで、同じ安定を取り戻すことは可能です。
Q. 出社回帰で急にIBSが悪化しました。病院に行くべきですか?
はい、一度消化器内科を受診してください。3年以上症状がなかった場合、他の消化器疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)の可能性を改めて除外する必要があります。また、テレワーク中に服用をやめていた薬がある場合は再開の相談もできます。「テレワーク中は大丈夫だったが出社で再発した」と具体的に伝えると、医師も環境要因としてのストレス対策を含めた治療方針を立てやすくなります。
まとめ
テレワークはIBSの「治療」ではなく「一時停止ボタン」でした。出社回帰でそのボタンが解除されたとき、3年間休んでいた腸の過敏性が一気に再起動する。Tさんの経験が教えてくれるのは、「環境に依存した安定」は「環境が変われば崩れる」ということ。段階的に出社日数を増やして腸を慣らし、オフィスのトイレマップを再構築し、朝のルーティンを再起動する。そして出社日の吸水パンツが「自宅のトイレが近い安心感」の代わりになる。テレワークで手に入れた「安心」を、出社でも再現することは可能です。
出社が始まっても、安心は手放さなくていい。
出社日に、お守りを
在宅の日は普通のパンツ。出社の日はSereni。このルーティンが、腸を安心させる。
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📚 参考文献
- Fukudo S, et al.(2021)"Evidence-based clinical practice guidelines for irritable bowel syndrome 2020." J Gastroenterol, 56: 193-217 PubMed 33538894 ── IBSの環境要因と予期不安
- Lackner JM, et al.(2018)"Improvement in gastrointestinal symptoms after cognitive behavior therapy for refractory IBS." Gastroenterology, 155(1): 47-57 PubMed 29702118 ── 回避行動(テレワーク依存)と段階的エクスポージャー(段階的出社)
- Drossman DA, et al.(2009)"Severity in irritable bowel syndrome." Am J Gastroenterol, 104(Suppl 1): S1-35 PubMed 19521341 ── IBSの重症度と就労への影響
- Black CJ, Ford AC(2020)"Global burden of irritable bowel syndrome." Lancet Gastroenterol Hepatol, 5(10): 908-917 PubMed 32702295 ── IBSの世界的有病率と労働生産性への影響

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